時刻は午後11時。

辺りは真っ暗で蛙の鳴き声だけが響いている。

「また・・・会えるよね?」

1人の少女が寂しげに零司を見つめている。

零司は何も答えなかった。

少女は今にも泣き出しそうである。

「零ちゃん、私・・・あの」

「じゃあな、奈々。今までありがとう。俺がいなくなっても元気でな」

何か言いかけた少女の言葉を遮るように零司は別れを告げ、駅の方へ歩いていく。

気が付けば、零司は暗闇に紛れて見えなくなっていた。

「また会えるよね。きっと・・・」

少女は零司の姿が見えなくなってもずっと佇んでいた。

                    

第二章〜出会い〜

「奈々っ!!・・・夢?」

時刻はまだ午前五時。

零司は起きるはずだった時間の2時間前に目を覚ましてしまった。

外からは雀の鳴き声や船の汽笛の音が聞こえる。

「少し外を歩いてみるか、まだこの島にも慣れてないし」

そして零司は散歩へ出かけることにした。

とりあえず着替えて下におりてみる。

すると、沙希がジャージ姿で外へ出て行こうとしていた。

「沙希、何やってんだ?ジャージなんか着て。まだ朝の5時だぞ?」

「えっ?犬の散歩に行こうと思って」

「ふーん・・・あ!じゃあ散歩がてらにこの島を案内してくれよ。まだよくわかんないし」「しょーがないなぁ、零司は方向音痴だもんね」

「余計なお世話だっての。んじゃ行こうぜ」

外へ出てみると日はすっかり昇っており、空は晴れ渡っていた。

微かに潮の香りがする。

「おはよーラッシー。さぁ散歩に行こうね」

「ワン!!」

かくして二人と一匹は散歩に向かう事になった。

 

 

町、商店街、学校、灯台のある丘、海辺・・・色々な所を巡り、家の近くの公園まで戻って来たところで同い年ほどの眼鏡をかけた女の子と会った。

「おはよう沙希」

どうやら沙希の知り合いらしい。

「隣の子は・・・ハッハーン、彼氏?いいわね〜、朝早くからアツアツで」

顔を真っ赤にしている零司と沙希を見て女の子は笑ってしまった。

言い訳をしようと沙希が顔を上げると

「冗談よ沙希。君は・・・確か零司君ね?私は野崎結花。沙希とはクラスメイトなの、宜しくね」

「あれ?もう俺の事知ってんだ」

「まぁね。沙・希・が・電話でべらべらしゃべってたし。『結構カッコイイ感じの男の子なんだ』って。じゃあ零司君、また 学校でね」

一層顔を赤くする沙希を尻目に、颯爽と結花は彼女の家の方へ歩いていく。

「・・・あの〜沙希、帰らない?」

沙希は俯いたままコクンと頷いた。

そしてその後、二人の間に会話は無かった。

 

 

 

 

ふぁんたで〜す。さてさて、二章目終了。どうだったかな?さて、今度のでは続々と新キャラたちがお出まし(・・・の予定)です。もう自分でも把握しきれないくらいにね

(ダメだなぁオイ・・・)。頑張ってまとめますかねぇ。んじゃ、次回をお楽しみに〜