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..ダ・カーポ 自分を変える未来

 

「第十四話・朝練」

 

 

「自室」

「・・・・・・ふぁぁ~~~」

部屋の主事南が、何気に目を覚ました。

「・・・・・・今何時だ?」

――500

毎日起きている時間より2時間以上も早い。

達彦、本人からしてみればかなり珍しい。

「損した~、仕方ない眠くないし起きますか」

達彦からしたら、少しでも多く寝ている方が得のなのだろう。

「しかし、何もやることないしな~」

達彦には、近づくテストに向けて勉強すると言う選択肢は存在していない。

「ここは、ちょこっと素振りでもしようか」

前の所では朝練があり、積極的に参加していたがここではないのでしていなかった。

「時間がもったいないし、着替えて行きますか~」

言うが早いかすぐに着替え片手にラケットを持って部屋を出て行った。

 

 

「玄関」

何処が一番人が少なくて良いか考えていると。

「あら、達彦今朝は珍しく早いわね」

「母さんか目が覚めたから」

「そう、今日は洗濯物干したかったんだけど残念ね」

「干したら良いじゃない。雨降ってないし」

「だって、達彦が早起きなくて雨だけで済むか?」

「母さん、俺凄く今のは傷ついた」

母さんは、偶にさらっと酷い事言うからな。

「それで何処まで行くつもり?」

ラケットを見て、何をしに行くか分かった様子。

流石、母さんといった所。

「う~ん」

「考えてなかったのね」

我が息子ながら、あきれたと言った感じ。

そんな事を思っている内に浮かんできたのがあの桜の所だった。

「よし、決めた。それじゃ行ってきます」

「何処へ」

「秘密」

そう良い残して走って行った。

後ろから『車には気を付けるのよ』と聞こえたのは気のせいにしたかった。

 

 

「桜公園」

「到着~」

家から、ウォーミングを兼ねて走ってきていた。

早朝で人が少ないと思っていたが、予想以上に多かった。

ジョギングしている人、犬の散歩をしてる人様々だった。

「流石にここで振ると誰かに当たる危険があるな」

それなりに人が居るし、できるだけ人目には付きたくなかった。

「ここは予定通り、あの桜の木の所に行きますか」

そう、あのことりと再会したあの桜の木に。

 

 

「再会の桜の木」

 

「毎回、この桜の木はほかと何かが違うような」

何処が? と聞かれると答えられないのだが。

「時間がもったいない、これは今度と言うことで」

ラケットを振って、桜の木に当たるかギリギリの所に立って素振りを始めた。

周りに人が居ない事を確認して、自分の世界へと入って行った。

123、・・・・・・・・・

 

――1時間後

600

「うわぁ!」

「きぁっ」

600回降り終った時、桜の木からことりが飛び出してきた。

それが丁度ラケットの軌道上にあった。

集中していたお陰でことりに当たる前に何とか止める事ができたが。

「ぐっっ」

肩に激痛が走り、肩を抑えてその場にしゃがみ込む。

無理にラケットを止めた為に、その止めた反動として肩に負担が掛かった。

「ご、ごめんなさい。私がいきなり出てきたから」

「・・・・・・・・・」

今、口を開ければ叫び声が出るだろう。

だから、今は喋れなかった。

「だ、大丈夫ですか?」

ことりが痛がり方がおかしいに気が付いて寄ってくる。

「・・・大丈夫だから・・・大丈夫」

ことりに心配を掛けたくなくて笑顔でやっとそれだけ言えた。

最後の大丈夫は自分に言い聞かせたのかもしれない。

もしかしたら、笑えてないかもしれないが。

「嘘はやめてください」

一瞬で見破られてしまった。

だけど、これだけは譲れなかった。

「嘘じゃないよ、全然平気」

「私に嘘は無理ですよ。私は・・・・・・・・・」

「私は?」

聞いてはいけないような気がした。けど聞かなければいけないような気もした。

「・・・・・・何でも・・・ないです」

そう言い、顔を伏せてしまった。

その間に、痛みも引いてまともに喋れるようになった。

「ことりは」

「はい?」

「ことりは、毎日ここに来るの?」

「今日は、時間があって、何となく来てみただけっすよ」

「そ、そっか」

「達彦君はどうなんですか?」

「俺は、今日初めてだよ、珍しく早く起きてさ」

「そうっすか」

ことりが毎日来ているなら、自分も頑張って来ようと思った事は、口が裂けても言えない。

何故か、ことりの顔が赤くなっているような気がしたのは、気のせいだろうか?

「そ、そろそろ達彦君は帰って学校に行く準備をした方が良くないですか?」

「え? もうそんな時間?」

ことりに教えてもらった時間は75分だった。

「仕方ない、それじゃ戻るわ」

「はい、そうした方が良いですよ」

「ことりはこれから歌うの?」

「時間がまだあるから、8時位まで歌ってると思うっす」

聞いていたい、気持ちを抑えて早く戻ってこようと考えていると。

「無理はしなくて良いよ」

「今、俺声に出してた?」

「ぇ~~と、達彦君が考えてる事ぐらいわかるよ」

何となく、嘘をついてるような気がするけど、今は大切なことじゃない。

「とにかく、帰って朝食食べないと」

「そうだね、又後でね」

「後で」

ことりと別れて後、全速力で走って朝食を済ませてシャワーで汗を流して再度桜の木のに行き、ことりと一緒に登校できたのだった。

この話は又別の話。

 

 

あとがき

 

ユエ:どうも、14話朝練でした~。

杉並:この私をゲストとして呼ぶとはお目が高い。

ユエ:多分、これまでで発言が一番少ないから呼んでみました~。

杉並:ふん、所詮脇役といった所か。

ユエ:卒パは動き回ったもらうから、頼むよ。

杉並:当然だ。

ユエ:今回は、初めて電車の中で書いた作品だったり。

杉並:頑張りだけは認めてやろう。

ユエ:最近、達彦とことりしか出してないな~。

杉並:出していないヒロインがいるのを忘れるなよ。

ユエ:わ、忘れるはずがないじゃないか(汗

杉並:4人も足りないのだぞ。

ユエ:ぶっちゃけ、全員無理です。

杉並:気合だ、気合で……

ユエ:さぁ、今度は15話で会いましょう。

杉並:俺をこんな扱いをして、ただで済むと思うなよ。