..ダ・カーポ 自分を変える未来

 

「第十話・ドタバタ転校生+α」

 

 

「教室」

 

「危なかったな朝倉達よ」

HRが終わってすぐに杉並が近寄ってきた。

「マジに危なかった」

「ちょっとやばかったな」

「兄さん、もっと早く起きてくださいよ」

知らない間に朝倉さんが近づいてきていた。

「無理」

「即答ですか」

「それより同士達よ」

「「同士って言うな」」

「まぁ、そんな事よりも、中々な情報があるのだが聞きたいか?」

「お前が話したいなら聞いてやる」

「そうだな、朝倉と同意見だ」

「ふむ」

杉並が少し考えてから話し始めた。

どうやら話したかったらしい。

「実は今日噂によると転校生が来るらしい」

「微妙な時期に転校してくな」

「今年は南と良い環と良い転校生が多いな」

「あ、その噂聞きました」

「しかも、帰国子女だ」

「確かアメリカとか聞きましたよ」

「と言う事だから」

――キーンコーンカーンコーン

「「「あ」」」

「続きは後ほど」

 

 

「よし、噂の帰国子女とやらを見に行こう」

1限目の講師が教室を去ったのと同時に、杉並が俺達に寄ってきた。

「は?」

「え?」

杉並と同じ様に寄ってきていた朝倉さんが朝倉と同じ反応をした。

「は―――って、なに驚いてるんだ朝倉兄妹」

「いや……杉並くんが、そういうミーハーなイベントに興味を持ってるなんて、知らなか

 ったから」

「なんだミーハーってのは? 売れない芸人コンビか?」

「素ボケにはつっこんでやらんが、珍しいを通り越してるな」

「確かに」

転校生が女性と聞いて男子が動くのは想像がついたが、よもや杉並が動くとはな。

「いやいやぁ……卒業間近に転入してくるなんて、なにか陰謀の匂いがするだろうが。そ

 れに帰国子女というのはラスボスっぽい」

「つまり未知だ!!」

「……はぁ」

「まぁ、お前はまず自分を研究し尽くしたほうがいいと思うが……陰謀ってなにするんだ?」

「杉並、自分が十分未知なのに、気付いてないのか?」

「あ? テストで俺をTOPの座から落としたり、購買のパンを独り占めしたり、実は誰かのメ

 イドさんだったり」

「……最後のだけは切実だな。特に料理」

「兄さん……なにか含みがある発言が耳に届きましたけど?」

「いや、別に」

「それで音夢は何しに来た?」

「あ、いえ……なんだか先ほどから嫌な雰囲気を感じるというのか……」

「電波の受信が良くないんじゃないか。それなら屋上に言ったほうがいいぞ」

朝倉が立っている髪の毛を指差した。

「これはテレビのアンテナじゃありません!」

「寝癖――ぐっ!?」 「触角――ぐっ!?」

目にも止まらないと言うよりも、目にも映らない何かが杉並と俺の顔面に飛んできた。

鼻っ柱を押さえて杉並と俺がうずくまる。

「馬鹿だな……女性の髪は命よりも大切だと言うのに」

「兄さんがそれを言いますか」

杉並達が机に手をついて立ち上がる。

「どうなさったの杉並くん? 南くん?」

「くっ……やはりお前の周囲には時空の断層が展開しているのか?」

「今何が起きた?」

俺にも見えない何かが顔に当たったのだけしかわからん。

「南は、もう少し修行が足りないな」

「何の修行だよ」

「真実は、そこにいる悪魔が――ん?」

朝倉が説明してる所に廊下から何か聞こえてきた。

「なに?」

「猫か?」

何だか廊下の外が賑やかだ。

「なんだろうな?」

気になるので全員で除きに行く事に。

 

 

「廊下」

 

「……なんだろう、あの人だかり?」

朝倉さんが指差した方向には、女子が凄い勢いで群れていた。

「やだ、可愛すぎるよ〜♪ お嬢ちゃん、このお菓子食べる?」

「こっち向いて〜♪」

「うにゃ、わわ!? ひっぱるな〜〜〜!」

中心には、女の子がいるようなのだが、背が低いのか手がかろうじて見えるだけだった。

「あれが噂の転入生かな?」

「だろうけど……凄い人気だな」

「普通は、男子が群れるんじゃないか?」

「どいて〜! ……どけや〜〜〜〜〜!!」

「ん? どっかで聞いたことがあるような声だな」

「あれ、兄さんも?」

兄妹で顔を見合わせて考え込んでいる。

「なんだろう……この、聞くと反射的に逃げたくなる声は……」

「なんだろうねぇ、これ」

どんな声なんだと聞いてみたいがやめておこう。

「おぃ、ふたり共、ぼさっとしてると巻き込まれるぞ」

考え込んでいたから、群れが近づいている事に気がつかなかったようだ。

「あ? え? さくらんぼッ!?」

「お兄ちゃん!?」

波をかきわけて、ひっこりと女の子の顔が飛び出していた。

「なっ!?」

何か朝倉が複雑な顔で驚いていた。

「やっぱり、お兄ちゃんだ〜♪」

凄い勢いで、女の子が朝倉に飛び込む瞬間。

ビシッ――!

「………」

「………」

「………」

「………」

一瞬の沈黙が続いた。

「……痛い」

女の子を押しとどめるように、その額には朝倉さんの掌低が決まっていた。

「見事なカウンターだ」

「ホントに痛そ〜」

「おほほほほほほほほほ……はぁ」

笑い声をあげて、朝倉さんがため息をつく。

「痛いよ音夢ちゃん」

「あぁ!? ごめんごめん、なんだか身体が勝手に――」

それも何だか嫌だな。

「いや、まて」

朝倉さんをおしのけて、朝倉が前に出る。

「お前、本当にさくらんぼなのか!? 妹とかじゃ――」

「あ、懐かしいねぇ、その呼び方」

何か朝倉が危ない足取りでふらふらしている。

「えへへ……お兄ちゃん、デコ痛いからなでて」

「………」

「この未知の生物とは知り合いか朝倉兄妹?」

「朝倉、さっきから『お兄ちゃん』て呼ばせて……そんな趣味が……」

「……俺はロリコンじゃないぞ杉並」

「それと南、変な誤解はするな」

「兄さん現実逃避しないで。間違いなく、さくらちゃんだよ〜」

朝倉さんも、大分混乱してるようで、おかしな表情で朝倉と話している。

「いや、待て音夢! いくらなんだって同じ年に見えないぞ、コレは!」

コレ扱いとは中々朝倉も酷いな。混乱してるだけかもしれんが。

そう言って、少女の頭の上に手をおく。

「人の身体的な特徴でけなすの嫌い……でもお兄ちゃんは好き♪」

そう言うのが早いか朝倉に抱きついた。太ももにだが。抱きついたと言うよりもへばりついた感じだが。

「きゃ〜〜!」

「あたしもギュッ、てされたい♪」

何やら女子の方から歓声上がる」

「でも“ロ”だぞ」

「静まれそこ!」

「あ……独占欲の炎がバーニングだ」

「――!」

「朝倉、墓穴を掘ったな」

「ねぇ、お兄ちゃん。まだ信じてくれないの? せっかく帰ってきたのに“おかえり”は?」

「はぁはぁ……君もふざけるのはよせ。さくらの妹か親戚だろ?」

「ボクはボクだよ〜」

「証拠でもあるのか?」

「ん〜っと……今は何も持ってないけど……。あ、ふたりだけの秘密でね、昔お兄ちゃんが女の子のスカートを――」

ピシッ――!

朝倉が血相を変えて女の子の口をふさぐ。

もう、手遅れな気がする。

――キーンコーンカーンコーン

「………」

「………」

「………」

「………」

また、一瞬の沈黙。

「……あ……ボク、勉強しなきゃ」

朝倉が白々しくこの場を後にしようとして、教室に戻ろうとする。

しかし、ドアから眞子さんが顔を覗かせる。

「一体なんの騒ぎなの朝倉?」

「わ」

「輪?」

「……若気の至りなんだよ〜」

「知るか」

ピシャっと戸が閉められた。

チャイムが鳴っているのでこの場は、何となく解散された。

 

 

あとがき

 

ユエ:今回はゲストとして眞子さんを呼んでみました。

眞子:ちょっと私の出番少なすぎない?

ユエ:だからここでゲストとして呼んだんですよ。

眞子:何か複雑。

ユエ:何とか十話に行き着きました。

眞子:その割には出てないヒロインが多いじゃない。

ユエ:物凄く悩んでいる所を突いてきますね

眞子:4人は足りないと思うんだけど

ユエ:若干難しいのが二人と出さないと行けないのが二人です。

眞子:全員出さないの?

ユエ:善処します。

眞子:あっそ

ユエ:ではまた十一話で会いましょう

 

 

キャラクター紹介(ネタバレあり&少しオリジナル)

芳野さくら (よしのさくら)

 

転校生3人目の少女でことりと同じクラス。無所属。

朝倉兄妹の幼馴染。見た目と相反してIQ180の天才だったり。

純一の事を『お兄ちゃん』と呼んでいるので純一は周囲からの視線が痛くなったとか(笑

「えへへ……お兄ちゃん、デコ痛いからなでて」